通信制看護課程の実習は
いわゆる一般的な看護学生の実習とは大きく異なります。
実習の不安 その①
実習期間は2日間、受け持ちはせず実習指導者と行動を共にし見学、
実習先の施設、また同施設であっても病棟により実習の仕方も違います。
実習メンバーは当日になるまで誰と一緒なのかも分からず、
事前にメンバーの人数だけが知らされます。
いくら経験年数があるとはいえ、
実習についての情報のなさや変なメンバーだったらどうしようという
漠然とした不安はありました。
また実習オリエンテーションでは嫌なうわさで持ち切りです。
「見学すらさせてもらえなかった病院がある」
「厳しく追及され、泣きそうになった人がいる」等を聞きました。
実習の不安 その②
そういう不安もあるけれど、私が一番心配していたのは
「今更、指導者とともに看護技術を見学して、
果たして学びがあるのだろうか。何か気づくことがあるのだろうか?
何も感じずに終わったらどうしよう…。」
ということでした。
急性期病院にいたこともあり、重症患者さんも受け持っていました。
科による特殊な処置や看護は未経験なものもありますが、
それでも循環器病棟にいたこともあり、
透析、カテ、除細動による不整脈治療、人工呼吸器なども経験としてはありました。
(十分なケアができていたかは別として)
採血や血圧測定、体位変換や食事介助などの基本的なケアについては、ほぼ経験しています。
知らないケアや見たことないような処置なら
何か感じたり気づくこともあるかもしれない。
でも経験していることで何か気づくことってあるのだろうか?
それが一番の不安でした。
実習の不安 解決するには
その心配は実習をどのような態度で臨むのかで一蹴することができました。
何かを学ぼう
看護技術をもう一度基本に戻り根拠を考えてみよう
そういう意識をもってみていると、多くの学びがありました。
また「人の看護技術の観察だけをする」「見学だけする」という機会は
この年齢になるとほぼありません。
見学・観察に徹していると客観視でき、色々なことに気付くことができました。
実習の事前学習についてはどう勉強しておけばいいのだろうと悩むかと思います。
やはり基本は教科書です。
1つ1つの看護行為・技術の根拠を理解しておくことは必要です。
それは実際に見学した看護・看護技術がどうだったのか検証するためです。
基本はこう学んだ、で見学した技術はこうだった、
その理由は患者さんの背景、疾患、治療、症状がこうだからである
というふうにアセスメントするためです。
見学する時に基本が頭に入っていれば、違いが分かります。
ここが違う、なぜこうしたのか?という疑問に気づくことができます。
また移動の介助や食事介助など、方法が複数ある時に
「なぜこの人にはこの方法なのだろう?」と考えてアセスメントできるようになります。
基本を押さえて、実習で実際を確かめ考えることが学びになると思いました。
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