こんにちは。cocoです。
今回は成人看護学実習と実習スクーリングについて書いていこうと思います。
成人看護学実習に限らず、実習は全国各地の実習病院で行いますし、病院によって(また同じ病院でも病棟によって、指導者によって)見学内容なども異なってきますが、私が実習した1病院の例を紹介したいと思います。
成人看護学実習の事前学習はどうやったのか?
事前学習ですが、どの診療科になるかはわからなかったので具体的な疾患の学習はしませんでした。(もし事前に実習する診療科が分かるのであれば、その科の解剖生理学は勉強しておいて損はないと思います。)
診療科が分からなかったので、概論的なことは頭に入れておくようにしました。
✓経過別の特徴(急性期~ターミナル期)
✓成人期の特徴
などです。
これらを勉強しておくと、理論に基づいて考え、情報収集できるようになりました。
例えば、ターミナル期はよくエリザベス・キューブラー・ロスの死の受容プロセスがでてきます。その5段階(否認・怒り・取引・抑うつ・受容)をそのまま進んでいくのではなく、抑うつから取引や怒りの段階になることもあると言われています。
この基本が知識としてあると「じゃあ、この患者さんは今どのプロセスにいるのか、そう判断するに至った情報は何か、そう判断するにはどういう情報がさらに必要か」といったように、考えて情報収集することができます。
なので、概論的な知識は持っておくと実習で役に立つと思います。(臨床でも大いに活かせると思います)
では、具体的な実習の流れを紹介していきます。
成人看護学実習の2日間の実際 1日目
成人看護学実習の実習病院は、乗り換えや駅からの徒歩の時間も合わせると1時間くらいかかる場所でした。(自宅から通える範囲でした。)
実習先の病院では成人看護学実習だけでなく老年看護学実習も受け入れていました。実習人数は成人・老年合わせると8名くらいだったと思います。
初日は更衣室を案内され、更衣後に全体でのオリエンテーションがありました。その後、どの病棟(診療科)で実習になるかが伝えられ、それぞれの病棟に案内されました。、1病棟につき学生2名でした。
また実習指導者さんですが、学生1名に対し指導者の方が1名でした。金魚のふんのように後をついていき、簡単な病棟内のオリエンテーションを受けた後、ケアの見学をさせてもらいました。
電子カルテを導入していたので、空いていた時間にはカルテからの情報収集を行いました。
患者さんとのコミュニケーションですが、私の場合受け持ち患者さんがターミナル期であったこと、自己にて体動も困難であり、会話にも疲労を伴う状態であったため、訪室するのも実習指導者さんと一緒の時に限定されていました。
実習終了時間の1時間ほど前に病棟を出て全員が集合し、全体でのカンファレンスがありました。感想や学んだこと、疑問に思ったことなどを発表して、1日目は終わりました。
帰宅してからは、当日記載する実習記録(1日目の感想や学んだこと)を記載し、翌日の目標の修正・追加をしました。そして疾患についての学習、アセスメントに必要な情報が取れているか、不足している情報はなにかを知らべて、メモにしておきました。(書き込めばすむようにしておきました)
成人看護学実習の2日間の実際 2日目
2日目も更衣後、全体で集合してから実習先の病棟へ向かいました。
実習指導者の方についていき、バイタルサイン測定を見学したりケアを見学したりしました。
患者さんのご家族の方と話をすることができ、家族の想いや入院するまでの患者さんのことなどを教えてもらうことができました。また、入院してからの葛藤なども話してくださり、本当にいい学びができました。
ターミナル期であり、頻回に学生が訪室するのは患者さんの負担にもなるということで、コミュニケーションについては別の患者さんとさせてもらいました。
その別の患者さんとのコミュニケーションでも概論的な知識が役に立ちました。その年齢の特徴と実際の患者さんから得られた情報を照らし合わせていましたし、例えば役割など遂行出来ていない場合、どうしているのかと考えて質問したり、話を聞くようにしていました。
2日目も同様に実習終了前に全体で集合し、カンファレンスをして見学実習は終わりました。
成人看護学実習前に注意しておくこと
事前に大学の先生からは
✓年齢は老年期でも仕方ない(成人期にあたる年齢で入院していることが少ないため)
✓疾患については加齢が起因しているものではないこと
が実習患者さんの選択条件といわれていました。(加齢に伴う疾患だと、成人期としてのアセスメントができなくなるのが理由)
実際に、最初に実習指導者の方が提案してくださった患者さんは
✓実習1日目に手術を受ける
✓周術期(手術当日・術後1日目)の看護が学べる
ということでしたが、疾患名が変形性膝関節症であり明らかに加齢が起因で発症していた患者さんでした。
なのできちんと事情を説明し、別の患者さんにしてもらいました。おかげでアセスメントの際には困らずにすみました。
成人看護学実習スクーリング
先生によってスクーリングやグループワークの方法は異なると思いますので、これも私が経験した1例です。
当時は成人看護学実習スクーリングは急性期~ターミナル期のどの患者さんを受け持ったかでグループ分けがされていました。
ターミナル期は、1つのグループだけでしたが、急性期や慢性期は人数も多く、2~3グループくらいに分かれていました。
まずは自己紹介や、自分が受け持った患者さんの情報交換、そしてグループワーク、発表、講義、実習記録についての指導・相談などが3日間を通して行われました。
成人看護学実習スクーリングで印象に残っていること
成人看護学実習スクーリングで印象に残っているのは、1番充実し、また1番考えさせられたスクーリングだったということです。
ターミナル期では患者さんの想いを本当に理解し実現するには、様々な要因が関わること、また調整が必要となってきます。例えば
✓患者さん自身の状態
✓患者さんの希望
✓家族の想い
✓家族の協力
✓医師の治療方針
✓ソーシャルサポート
などです。
私が見てきた「患者さんと実習指導者の方のやり取り」や「患者さんの家族と実習指導者の方のやり取り」について話し合っていたところ、
「この患者さんがしてほしいのは、そういうことではないと思うよ」
と先生に言われ、ハッとしました。
私自身も「医療従事者としてできること」を考えていて、「患者さんが本当にしたいこと」が置き去りになっていたと分かったからです。
ターミナル期は本当に時間との闘いで、1日単位で病状が変化します。
苦痛を最小限にして欲しい、でも自宅に帰りたいという希望は両立させることができるのか?と医療従事者は悩みます。
また両立させようとしても病状から医師にNOを突き付けられることもありますし、看護師がターミナル期を本当の意味で理解して、ソーシャルサポートまで考えられていないと実現不可能なこともあります。
ターミナル期がどういうことか、そういう時に患者さんの希望を叶えるためにどう関わっていくかを考えた実習になりました。
おわりに
私は1番最初の各論実習+実習スクーリングが成人看護学でした。
実習スクーリングはメンバーに左右されることも多少はありますが、ここでスクーリングで大切な「人の意見を否定しない」ということに気づきました。
議論することや討論することは看護とは何かを考えていくうえで大事ですが、人それぞれ経験も違うし、感じることも違います。正解も不正解もないものだと思いました。
…そういう気持ちをもっていても、どんな意見に対しても否定から入るメンバーにいら立ちを覚えることもあります。まだまだ修行が必要ですね(笑)
よかったら参考にしてみてくださいね。
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