こぼれ話 人が変わらなければ意味がない

こぼれ話

今日は少し違う視点から。

看護協会関連の連絡書類?定期的に配布されるものの中に、看護教育の年数について書かれていました。

全て4年制にする方がよいという意見・要望を提出したとかなんとか。

✓学習すべき領域は増えているのに履修時間は変わっていない。
✓昔と比べて入院日数は減少しているのに、技術は向上し複雑になっている。
✓インシデントの2割は新人看護師。

そういった背景から(私なりの要約ですが)学生にもっとしっかり勉強する時間を確保すべきだという。

…。

「ちょっとずれていると思うんだけど…」と思ってしまいました。

現場の人間から言わせてもらうと、確かに履修時間の拡大は必要だと思います。
学習する領域が増えているという点では。
しかし、それ以外では実は違うんじゃないか、ほかの理由があるんだけどと思っていて。

本当に現場では「指導する側の人間の教育」こそ早急に必要だと思っています。

私も通信制看護課程で勉強して、1番感じたこと。
「こんなにいいことを学んでいるのに、臨床でまったく使えない。」
ということでした。

例えば、インシデントレポート。

これは
・次に同じようなミスを起こさないために
・どういう状況下で起こったのかあらゆる側面から分析する
ものであって、ミスをした人間を責めるために行うものではありません。

それでも現場では
「ミスをした人が責められている」
と感じてしまうような話し合いの仕方なのです。

一つは病院そのもののシステムも関係するかもしれません。
新しい教育を取り入れようとしている病院なのか否か。

もう一つは教える人間が、教わる人間より古いということ。

教育内容は常に変わっていて、新人看護師はそれを知っています。

ずっと病院で働いている人にこそ、その最新の教育や考え方やについて知らない人が多いのです。

元々経験値の少ない新人看護師がインシデントレポートが多いのは当然の結果だと思います。
では、新人看護師がインシデントを起こさないように、きちんと、その人に応じた指導をできているのか。

病院でずっと働く看護師こそ、
自分たちの教育方法について常にアップデートが必要だと思います。

学生に学習時間を確保させることは1つの案として必要かもしれませんが、
根本的な解決という面では

✓学習時間を増やしたからミスが減る

ということではないと思っています。

間違って教えられたり、古い感覚のまま指導されている現状があるのです。
その古い指導に強制されるのです。

そして教える人間に染まっていくのです。良くも悪くも。
(全ての人がそうではないけれど。)

医療の世界は、
(新しいことを取り入れようと試みている部分ももちろんありますが)
教える現場の人材自体に、「古き昭和の考え」が根強く残っているんだと思いました。
(看護師だけでなく医師もコメディカルも全体が。)

そういう体質、体制を変えていかないことには、
立場の弱い人(新人、学生)をどれだけしっかりさせようとしても。
やはり集団の力に刃向かっていくのは、なかなか大変なのです。

教えられないと仕事ができないという立場ですから、尚更。

看護師も数年経てば再教育が必要。

それはその病院内でのラダー教育といった生ぬるいものではなく、
再教育を受けない、もしくは決められた試験に合格できなければ「資格剥奪」くらいにしないと変わらないでしょうと思っています。

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